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zoom RSS 雨の季節の記憶

<<   作成日時 : 2009/07/23 00:32   >>

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雨の季節が、まだ続いている。

雨が降る日に神社の森の横を通ると、湿った土の匂いと樹々の香りが漂ってきた。
丘陵の住宅地に残された林の入口の草むらには、前日の強い陽射しで溜った熱がまだ残っていて草いきれがした。
繁華街の路地裏では、雨だれがトタンの庇からコンクリートの溝蓋の上にぽたぽた落ちていて、そこだけ点のようにトタンの錆びの色が付いていた。
雨が降ると、普段は物体の表層にまぎれているモノが浮き上がってくるので、その存在に気付く。
時々は、どこかに埋もれていた記憶のかけらが現れたりもする。

昨夜も、雨脚が急に強くなったり弱まったり、雷鳴が聞こえたり、雨が上がる気配はなかった。

ここ2日ほど、しばらく手をつけずにたまっていたフィルム現像作業をやっている。
たまっていたといっても、最近はあまり撮っていないので22〜3本程である。
現像後のフィルムの水洗で洗面室を占領するため、必然的に夜中の作業となり、昼夜逆転の生活になっている。
今日は午後からも4本現像して、あと2本の未現像フィルムを残すのみとなった。

最近、スナップのほとんどをハーフ判で撮っている。
ハーフ判で撮る理由は、1コマあたりの面積がフル判の半分なので、引伸し倍率が大きくなって粒子の荒さを強調するのに適しているからだ、というともっともらしく聞こえるけれど、ホントは1本で倍のコマ数が撮れてフィルム代が節約できるからだ。

僕が現在使っているハーフ判のカメラは、40年程昔に発売されたオリンパスペンEE2だ(以前のブログで一度紹介したことがある)。
この薄いグレーの外装の小型カメラを眺めていると、修学旅行に持っていくカメラが欲しかった小学生の頃を思い出す。
駅前の質屋のショーウィンドウに飾られていたオリンパスペンには、9千数百円の値札が付いていて、輝いて見えた。
いつもわくわくしながら眺めていたけれど、買えなかった。
修学旅行には、当時のトイカメラ(小さなサイズのフィルムを入れて撮影できるもの)を持って行った。
そのカメラで伊勢の真珠島の海女さんの実演や旅館街の風景を撮った覚えがある。
現像に出して上がってきたモノクロームプリントの風景は、コントラストが低くピントがボケていた。
雨が降っていたのだろうか。
そのネガは残っていないけれど、僕が自分の意思で最初に撮った写真だった。

今でも質屋のショーウィンドウにあの頃好きだった腕時計や万年筆やトランジスタラジオやカメラなんかが並んでいたら、きっと毎日わくわくしながら眺めに行くだろう。

ぽつぽつと断片的な記憶がよみがえる。
雨の空は、まだもう少し続くみたいだ。

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