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zoom RSS マウンテンパーカの思い出

<<   作成日時 : 2008/11/24 03:10   >>

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シェラデザインズというアメリカのアウトドアウエアのブランドがある。
1960年代の後半、2人のバックパッカーがカリフォルニアのバークレーで始めた会社で、マウンテンパーカの元祖というか本家本元だ。
60/40クロスという横糸を綿、縦糸をナイロンで織った摩擦に強くて防水性も高い生地をシェルに用いているのが特徴であり、その綿とナイロンの比率は、およそ60%と40%である。
日本には70年代後半に輸入され始めたそうで、僕が初めて目にしたのも70年代の終わりの頃か80年位、大学生の時だ。
誰かが着ていたのを見たのだけれど、バックパッカーでもなく単なる貧乏学生だった僕は、心にちらっと感じるものはあったかもしれないが、手が届く価格ではなかったので欲しいと思うこともなかった。
僕がシェラデザインズのマウンテンパーカを手に入れたのは就職してからで、83年か84年だったと思う。

先日、神戸三宮のとある店先で、久しぶりにそのマウンテンパーカに出会った。
もちろんこれまでもずっと売られ続けて来たのだろうけど、扱っている店は多くないので見る機会はなかったし、僕にとってはほんとうにずいぶんお久しぶり、という感じで新品のそれは吊るされてあった。
通りすがりになぜかちらっと横目で見たとき、目に飛び込んできたのだ。
色が定番のネイビーでなく、初めて見たオリーブだったけれど、かつてと同じ60/40クロスのタグが懐かしかった。
自分がこのマウンテンパーカを買った頃のことを思い出した。

「僕のはウールリッチだけど、やっぱり本家のシェラのマンパは良いですよ。」と、僕にシェラデザインズを薦めたのは、Nさんだった。
25年前、就職して2年目、僕はある製品の開発のために提携先の会社に通って仕事をしていた。
その会社の社員で少し年下のNさんはアウトドア好きで、当時トレッキングしたりジープに乗ったりしてアウトドア遊びを始めた僕は、彼とうまが合い、仲良くなっていたのだ。
神戸・三宮のど真ん中にあるオフィスで、コーヒーを飲みたばこの煙をくゆらせながら、アウトドアグッズの話をしていた。
通勤にも使えるジャケットをさがしていた僕は、Nさんの言葉で、学生時代にちらっと心を動かされたシェラデザインズのマウンテンパーカを買うことに決めた。
そして、Nさんにつきあってもらい大阪・梅田界隈で何件かの店を巡り、結局阪急イングスで購入したのだった。
色は、定番のネイビー/タン、価格は34,000円だった(神戸で探さず梅田で買った訳は、その頃の僕は、大学時代の名残で大阪で買い物することが多かったからだ)。

Nさんとは、彼の会社の保養所へ一緒に行って遊んだりもしたけれど、やがて僕は自社に戻り、お互いに忙しくなり会わなくなってしまった。
その後僕が会社を辞めるまでは、どうしているか時々はたずねたりしていたけれど、今はもうそれもなくなった。
人なつっこい笑顔に穏やかな話しぶりだったNさんは、今どうしているだろう。

僕とこの丈夫な60/40マウンテンパーカは、20数シーズンを一緒に過ごした。
山歩き、バードウォッチング、撮影行、通勤。
ウールシャツとチノパン、ラグジャーとジーンズ、スーツと、着るものやTPOを選ばず何にでも合った。
めちゃくちゃ寒い時は、パーカの下にセーターかダウンベストを着れば完璧だったし、少々の雨なら傘は不要だった。
袖をたたんで裾からぐるぐる巻いてフードにつっこめばとてもコンパクトになり、デイパックの底に収まった。
収納力も抜群で、大きなポケットに交換レンズや双眼鏡も入るので撮影現場では重宝した。
後年、LL Beanのライナー付きのパーカを併用もしたけれど、僕にはシェラデザインズの方が合っていた(東海岸より西海岸などと言うつもりはなくて、LL Beanも好きだった)。
ただ、20シーズン以上を経て、さすがの60/40クロスもくたびれ、汚れが落ちなくなってきたので、ここ数年は活躍することなくクロゼットで眠っている。

マウンテンパーカによせて、とりとめのないことを書いた。
シェラデザインズの製品では、ダウンジャケットにも思い出があるけれど、思い出しているときりがない。
記憶を訪ねて思い出を懐かしむだけでは、明日につながるものは得られないかもしれない。
しかし、あの時代も現在もあるからこその未来であるとも云えるだろう。
ノスタルジーだけでは生きていけないけれど、ノスタルジーのない未来は味気ない。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
マイペースで撮るから「巨匠」なんだってね。
幸せなフォグラファー(自称)だ。
no name
2008/12/08 07:59
女にホテルや飲食代をさんざんタカって本まで出させて、用済みになったらポイか?妊娠させて責任もとらず、人に押し付けるのはひどくないか?それでもナイーブなフォトグラファーさんは傷つくわけか。彼女がいなくなって安心してブログをはじめたのかな?しかも2つもだよね?よっぽど暇w パーカーの思い出でも何でも語ってください。たまには仕事の話も書いておくれ。
no name
2008/12/09 00:15
思い入れたっぷりの文章と写真、読みごたえありますねえ。更新を楽しみにしているワン!
犬になりきれる「フォトグラファー」の無邪気さにも脱帽ワン!
みちこ
2009/01/17 14:17
見捨てられたクライアントに賀状を出すのは、もの欲しそうなんだけど。フォトグラファーとしてはその辺は平気なワケ?営業活動として割り切って、プライドはさておき、って感じかな?万が一にも仕事が来ないとも限らんものね。見上げたプロ根性(?)だよね。
M
2009/01/23 22:55

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